学校事務の共同実施について
「学校事務の共同実施」という政策がある。
義務制学校の事務職員は多くの場合、学校にひとりだ。
学級数が多かったりする場合には、ふたりになるが。
そして、事務職員以外の学校職員はほとんどの場合、事務職員の仕事をよく知らないし、代わることは難しい。
管理職も含め、そうだ。
新人の頃からそんな環境で働くことになる
やもすると、「職人」的だ。
するとどうしても、事務職員ごとの働き方や考え方、知識経験による差異が生じる。
これを標準化すると称するのが、学校事務の共同実施だ。
なるほど道理かもしれない。
これを熱心に推進している学校事務職員もいる。
標準化と効率化を進め、事務の安定化を確保するとともに、これまでにない新たな役割を担い、学校事務職員の必要性や存在感を高めると説明される。
なるほど道理かもしれない。
しかし、現実には共同実施はそういう目的に沿った政策ではない。
実際に進んでいる方向性は、共同実施による学校事務職員の人員削減、非正規雇用職員転換、民間委託である。
ひっくるめて言えば学校事務の崩壊だ。
※民間だから質が低い、という意味ではない。委託は業務指示に法的制約が生じる点をもって、崩壊と表現している。
学校事務職員の世界での二大勢力は、全事研と日教組事務職員部ということになろう。
この2団体はともに、共同実施を推進している。
私は共同実施について、絶対反対だ。
まず第一に、私の雇用を危うくするからだ。自ら墓穴を掘って埋まる趣味は私にはない。生活は大事だ。そのためには賃金をいただく他ない。
第二には、学校事務の地盤沈下をむしろ促進すると思うからだ。「標準化」には工夫がない。自分で頭を使わなくなる。公務員としての学校事務職員である意義が失われる。
第三に、学校運営全体を狂わすと思うからだ。私は思う。教員が圧倒的多数である学校において、事務職員はしばしば「ノイズ」と化す。しかし、学校事務の標準化はノイズを許すまい。が、一方で世界はノイズだらけなのだ。ノイズを排除した学校は世界から遊離し、狂う。
インターネットで共同実施反対を発信する学校事務職員は、とても少ない。
そこで、やることにした。
自分のために。
学校事務職員の仲間のために。
学校のために。